【入社後の軌跡】 東日印刷株式会社さま

2019/03/05 ブログ東日印刷

2016年からPIITsを導入し、インターンシップ経由でインド工科大生採用に成功した東日印刷株式会社様。翌年2017年9月に入社したゴパールさん、ラブさんの約1年半の活躍と、両名が開発を手掛けこの度リリースとなった新サービスについて、取材させていただきました。

【インタビュー協力】

東日印刷株式会社
T-NEXTマネジャー 兼契約・発注審査室
岩本好司 さま

毎日新聞グループホルディングス グループ技術部委員
東日印刷システム技術室 副主査 兼T-NEXT 兼契約・発注審査室
土橋勇樹 さま

T-NEXT ソフトウェアエンジニア
シンデー・ラブ さま

T-NEXT ソフトウェアエンジニア
アガラワル・ゴパール さま

【社内ツールがついに製品化。「NEXTα」リリースまでの道のり】

岩本さん:

この度、東日印刷株式会社はNEXTα(ネクスタ)というグループウェアをリリースしました。

現在はスケジュール管理アプリと名刺管理アプリの2つのラインナップでリリースしています。NEXTαの「α」には、未知数という意味があり、グループウェアを通じて未知数の付加価値と可能性を提供するという理念が込められています。

開発の経緯としては、2016年に現在NEXTαの開発を手掛けるゴパールとラブがインド工科大学からインターン生として来日し、その当時彼らに開発を依頼したものが、自社で使用するスケジュール管理アプリでした。

彼らが弊社に来るまでは、各部署で別々のスケジュール管理ソフトを導入しており、それを全社的に共通のものを使用しようという話になったことが始まりでした。当時は同じフロアの営業宛に電話がかかってきても、その時間に営業のメンバーが何しているかわからないということが続き対応に困っていましたからね…。

翌年も継続してPIITsを導入しゴパールとラブの後輩にあたる学生をインターン生として迎え入れました。その際には2ヶ月間で名刺管理アプリを開発してもらいました。以前に他社さんの名刺管理アプリの導入を検討したことがあったのですが、その当時は導入費用面など、実際に使用する営業部門から懸念の声があり断念することになりました。しかし初年度のインターン生がスケジュール管理アプリを短期間で開発し、社内で実用化されたことを受け、会社としては2017年は名刺管理アプリの開発を手掛けてもらおうということが、最初から決定していました。

インターンシップ時にはリリースする想定はなく、社内で使用する目的で構築しましたが、現在は毎日新聞社グループの企業、東日印刷のお客様、または取引企業様より我々の取り組みに対する反響があり、少しずつですが導入のご提案をさせていただいています。毎日新聞の広告欄を使って、発信したりもしています。あとは自社サイトからのお問い合わせも。

また現在打ち出している無料トライアルはキャンペーンとしてではなく、今後も継続していく予定です。最初の2ヶ月間は無料で多くの企業様にご利用いただき、内容が良ければ是非正式に導入していただきたいですね。

「NEXTα」無料トライアルはこちら

 

【入社1年目からNEXTα開発を担うラブさんとゴパールさんの挑戦】

まず最初に現在の役割について教えてください。

ラブさん:

ソフトウェアエンジニアとしてスクラッチからサービス開発に携わっています。僕たちがインターン生として東日印刷に来た頃から携わってきたスケジュール管理アプリについては現在実用化され、社内の皆さんが使用しているので、その中で皆さんからの改善点や要望などをいただき、それを随時反映させるということをやってます。

 

来日し、東日印刷に入社して1年4ヶ月になりますね。これまで携わってきたプロジェクトがリリースされる訳ですが、開発者としての自身のパフォーマンスをどのように評価しますか?

ゴパールさん:

僕たちは今、稀な環境に身を置いていると思っています。T-NEXTは新しい部署で、先輩の開発者や蓄積されたノウハウがない状況の中で、私たちが何かのガイドラインに沿ってコードを書いていくことはありません。学生時代は自分達の思うようにコードを書いてきましたが、今は来年以降に新たに入社してくる他のエンジニア社員の構築やメンテナンスを考慮した開発を心がけています。そういう意味では、ここ1年かなり多くの新しい知識、ノウハウを得たと思っています。

 

今回の開発で最も苦労した点はなんですか?

ラブさん:

スケジュール管理アプリは実際私たちが手がけたものですが、名刺管理アプリに関しては私たちの後輩が開発したものなので、全体的にかなり遡って開発し直した形ですね。(笑)最も大きなチャレンジは、要望を本質的に捉えることです。日本のユーザー目線で、どのような形であれば運用しやすいのかを理解し、それをプロダクトに反映させることです。

 

今後の2人のビジョンを教えてください。

ゴパールさん:

特に名刺管理アプリに関しては、日本一のクオリティにしていきたいと思っています。名刺のデータはOCRシステムで読み取りを行っており、氏名、社名、住所と分類していくのですが、現在の読み取り精度は約80%となっています。まずはそれを90%にまで持っていくことが直近の課題です。精度を向上させていくことで、データの分類に人間の力を加える必要性を無くしたいと考えています。それができると私たちのプロダクトの価値が更に向上するでしょう。

 

今のところ新しいコンテンツは考えていますか?

ラブさん:

はい。いくつか考えています。今年の夏に来日するインターン生には、新規機能のプロトタイプを開発してもらおうと考えています。

 

就業環境はどうですか?率直にお願いします。(笑)

ゴパールさん:

就業環境は非常に良いです。規制がそこまで厳格な訳でもないですし、オフィスの外にあるオープンスペースで作業をすることも許されてます。直近ですと、社内にゲームスペースができたりと、会社全体がイノベーティブな環境に生まれ変わりつつあると感じます。

 

プロダクトに関して、その他に伝えたいことはありますか?

ラブさん:

とにかくユーザーの利便性を追求していきます。私たちが開発したグループウェアを通じて、社内のコミュニケーションの活性化も期待できると思います。

ゴパールさん:

現在内蔵されている2つのスケジュール管理や名刺管理はもちろん、今後追加されていくその他の機能に関しても、更にビジネスの「効率化」を進めるためのアプリケーションです。ビジネスを進める上で、不要な作業を無くし、本当に必要なタスクにフォーカスするためのプロダクトに育てていきたいと思います。

 

【ゼロから1年半でプロダクトの開発&受注。T-NEXT開発チームのこれから】

土橋さん:

彼らと仕事をしていて感じることは、いかにシンプルかつ綺麗なコードを書くかに大きな比重を置くようになってきたことです。大きな成長だと感じます。そしてバージョンアップのスピードが早い。こうしてほしい、この機能を追加してほしいというのを伝えると、必ず1〜2週間で形にしてくるので、そこを見てると今後の成長も大きく期待できますね。

開発だけではなく、プロダクトをユーザーに使ってもらうことを強く意識して仕事ができていると感じます。クライアントにとってどのような形であれば使いやすいのか、それを明確に2人に伝えるのが僕の役割だと思っています。実際に開発者ではない人間の視点で、専門知識を有さない一般の企業様でも使っていただけるようなユーザビリティを実現していきます。

業務を進める上で苦労することとしては、やはりまだ英語に苦手意識があるという点ですかね…。(笑)2人もモチベーション高く日本語能力試験を受けていますが、たまに意思疎通がうまくいかないと、お互い本当に伝えたいことを飲んじゃう時があるんですよね。そういう意味では、我々も英語は長期的に取り組んでいかないといけないですし、そうすることでもっと深い議論ができてくるのかなと思います。ただ、東日印刷は社長を筆頭にインド研究会を実施したり、積極的にコミュニケーションを取ったりと、文化背景の異なる社員を会社として受け入れるスタンスがあるのかなと感じます。岩本のように正月に彼らを自宅に招待したりなど、公私ともにコミュニケーションをとっていく人物が1人いると、他の社員も影響され、より深い関係値を築いていくことができます。そこが他の会社とは違うところかもしれませんね。

現在彼らに同じ開発業務を任せていますが、本心はそれぞれの役割に応じて開発を進めたいという思いがあるようです。そのために今後は人員を増やし、役割分担を明確にしていく想定です。今は完全なる開発チームと呼べるような状況ではないので、もう少しチーム作りに力を入れていきたいです。今リソースが足りずに諦めてる案件が結構ある状態ですが、今年またIITから2名彼らの後輩が入社してくるので、それもいい刺激になってくると思います。今後は後輩達の教育も、彼らにとって新しいチャレンジになってきますね。

振り返ると1年半前までアプリ開発経験が一切なかった東日印刷が、プロダクトを自社で開発し、実際に受注しているという事実は想像できなかったことです。

 

【毎日新聞グループの広告力×インド工科大の開発力が生み出すNEXTαの未来】

岩本さん:

2019年のインターンシップでは名刺管理アプリにAIを搭載するのと、第3のアプリケーションとして勤怠管理アプリのプロトタイプ開発を考えております。業務改善は、必ず収支改善に繋がる。自社だけで導入するでもいいですが、例えば毎日新聞社グループ全体で彼らが開発したものを使ってもらうことで、グループ全体が間違いなくプラスに働くということは想定できます。

これまで2、3年やってきましたが、まだまだ我々が新規事業に取り組んでいることは、知られていないなという印象を持ってます。これからエンジニアが増えてくることで発想も変わってくるかなと期待しています。

高いスキルを持った開発者がいるということと、毎日新聞グループの広告の力というのは今の東日印刷が持っている強みだと思います。彼らの技術力を世に出していくことで認知度を上げていきたいと考えています。

現在NEXTα(ネクスタ)のユーザー数が600名。来年度はこれを3000名にまで伸ばすことを目標に、チームとして取り組んでいきたいと思います。

 

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